2016年08月08日

SELEX Pressel CW Side PTT


PTT 使うてはりますな     ヘッドセットはブームマイクの送話口が丸形の新型です


英軍の無線機と言えばH4855/PRR343と相場は決まっているようなものですが、元々この無線機は狭範囲での兵士同士の遣り取りに使われるもので、日本で言えば特小無線機みたいな扱いとでも言いましょうか概ね500m内外で通信可能な小隊単位あたりの展開に向いているものです。この運用方法が各国に影響を与えていて、米軍も局地的な作戦行動で採用されているようです。ところが、アフガニスタンではこの運用では収まりきらず、ゲインを上げたタイプが出たりしましたが、白眉はGPSを利用した位置情報の把握とデジタル通信による秘匿性に優れた遣り取りができる米軍でお馴染みのAN/PRC152等が導入され使われております。(この頃の”平時”ではまたぞろ昔ながらの運用に戻っているみたいですが)マルチバンドのPRC152はまんま従来のH4855/PRR343とも交信可能ですが隊内では今まで通りデュアル化したH4855/PRR343で交信、更に隊同士や他国軍との連携、指揮命令系統にはPRC152と言った使い方も従来のClanceman HRC433 等と共に” あり ”になりました。今回のSELEX Pressel CW Side PTT はそんな中にあってAN/PRC152 や HRC433 などに特化したものでこの運用担当者に非常にしばしば見受けられるものです。英特ではこのPTT がSELEX TACMIC と共にメインになっている節もあります。またゲームで使うにも電波法遵守の観点から”単なるPTT 化” したH4855/PRR 343 を使うより装着場所を選ばず非常に使い勝手の良いものであります。ケーブル先端は6PIN仕様のアーバンコネクター(ここら辺は英特御用達)を選べば特小無線を仕込んだダミ-ラジオに接続し、Lemo 端子にヘッドセットを繋げば通話が可能となります。



実際の結線イメージ  AN/PRC152(実は特小無線を仕込んだダミーラジオ) を実際に英軍が使っているというのがミソですな~



Fighting Order では階級章を見ることはありませんがこのPTT を使用しているのは概ね尉官で小隊、中隊の統率者に多いように思います 中央の3Para 兵士は Radio man でしょう




英軍の7PIN 仕様ではなく6PIN アーバンコネクターのSELEX Pressel CW Side PTT



【左】裏は360°回転するクリップ・・・軍用なので恐ろしく堅いです      【中】LEMO 端子と6PINア-バンコネクター         【右】中をバラすと黒い樹脂が流し込んであり全く水を寄せ付けない防水仕様



実はコイツは手に入れて随分経っているのですが、同好の士、それも同じ奈良県民である裸の男爵さんがDUAL PTT 付きのPRR のケーブルについて記事にされていたので、参考にでもしていただいたらと、紹介がてら記事にしたものです。このPTT( Push To Talk )は軍の本当のお下がりで手を加えていません。当然のことながら特小機器に繋ぐ場合は無線を聞くことは出来ても送話できません。その道のプロにお願いして手を加えなきゃ使い物にならないのです・・・・・・・・・・が!理由ははっきりわかりませんが、RACAL Frontier 1000 とは加工無しで使えることが判っております。恐らくヘッドセットの音声出力時に増幅能力があるためだと思っていますが、とにかく無加工で「聞き」も「話し」にも使えると言うことはとてもお値打ちな買い物でした。RACAL Frontier 1000 は今はやりのヘッドフォンで言えばカナル式と言えばわかりやすいかな?イヤピースが自分の耳道に合わせた独特の形状をしたものを選ぶ、或いはワンオフで作って使用するので少し敷居の高いヘッドセットですが耳骨マイクとも耳道マイクとも言われる送話システムを持ち、口元にマイクを持っていく必要がありません。それでいて集音マイクも装備しておりイヤピースで耳を塞いでいても周囲の音はバイノーラルで遠近感も良好に裸の耳と変わらず聞くことが出来るスグレものです。勿論破裂音や爆発音は瞬時にシャットするので鼓膜も守ってくれます。受話は左耳のみと言うのもBOWMAN HEADSET を使い慣れている人なら全く違和感なく使えるのもポイント高いです。ヘルメットでもハットでもベレーでも自在に組み合わせ出来ますからやめられないですね~。当分このSELEX のPTT との組み合わせは私の一押しで居続けるでしょう。



久々の重装備OSPREY Mk.4 に取り付けたSELEX Pressel CW Side PTT & RACAL Frontier 1000



【左】SIDE VIEW        配線の流れが判りますでしょうか?                           【右】透明なサザエのワタみたいなのがイヤピース



9月に催行される西側装備祭・・・・・・残暑の中この装備は出来るかな?







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この記事へのコメント
ふむふむ、なるほどなるほど、そういう事ですね。
それがこうでこれがこうで…………………………………

ごめんなさい、専門用語がいっぱいで(ノД`)

もっと勉強します。(^-^;
Posted by 裸の男爵裸の男爵 at 2016年08月08日 20:18
男爵さん:何も大層な話ではないです。記事内容が少し言葉足らずでしたので、ここで解説しますと(釈迦に説法だとは思うのですが)、軍用PRR はそのまま使いますと立派に電波法違反になります。そこでTRiSさんを始め、特小無線のプロの方々は、PRR とセットになっているPTT 部分を改造して本体を経由しないように回路をオミットして純粋にスイッチとしての役目を果たすようにしてくれるのです。

然しそれだけでは通信できませんから事PRR343 に於いてはシングルだろうがデュアルと同じようにPTT部分の下部にコードを取り付けて特小と繋いで通信できるようにするわけです。従ってもし男爵さんがTRiSさんに改造を頼んだ場合、今は役に立たないケーブルが特小と繋がるケーブルに変わってくれる、と思ってください。

冒頭の2枚目の写真にあるSELEX PTT と男爵さんのPRR を置き換えればイメージしやすいと思います。
Posted by Kafu'Kafu' at 2016年08月09日 00:01
いつもいつも丁寧な解説をいただきありがとうございますm(_ _)m

お恥ずかしい話ですが、無線関係に関しては『これを耳にあててスイッチを入れれば遠い人と話ができるのか』程度の知識しかございません(〃⌒∇⌒)ゞ


しかし、良いお話ばっかり聞かせていただいているので、もう早速TRiSさんに問い合わせしようか考え中です。

あのただの飾り物だったPRRがよもや使用できるようになるとは・・・・・・・・
考えただけでヨダレガ出てきます・・・・・・・(///∇//)
Posted by 裸の男爵裸の男爵 at 2016年08月09日 15:49
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