2013年07月18日

RACAL Frontier 1000 Communication System RA5500/1020


UGLとキャップで有名なブラックラッツ兵士のネタ写真ですが、今回は違うポイントにご注目!です


英軍の使用するPRR(Personal Role Radio)は近距離通信の有用性が認められ、同様の通信システムを米軍も採用するなど比較的狭い範囲で行動する兵士には無くてはならないものとなっています。このPRRと対を成すのがヘッドセットとなるわけですが、英軍では片耳用BOWMAN ヘッドセットがポピュラーな組み合わせです。

このBowman ヘッドセットは軽量でオープンエアタイプのために自然な使用感で長時間装用ができるのが特徴です。しかし遮音しないだけに音漏れを嫌がってスピーカ部分を覆う兵士もいるぐらいで、隠密行動にも少し問題もあります。また一時的に聴力を失う射撃音や激烈な爆発音に対しては無防備で、米軍が採用しているCOMTACやSORDIN(英特殊部隊も使用しているようですが)のような通信と防音、集音の三拍子を備えた優秀なヘッドセットとは隔世の感があります。

さて今回取り上げるのは、そんな安上がり装備の英軍にしては珍しくちょっとこましなヘッドセットです。その名もRACAL Frontier 1000 (Selex仕様 RA5500/1020)です。取扱説明書の表紙からみるとDDPM時代から一部で使用されていたと思われますが、我々の目に留まったのはOSPREY ASSAULT BODY ARMOUR を装備した兵士が使用していたのが始まりでしょうか。その後、新型PRRポウチのクローズアップ写真とともにこれなぁんだ?的に再登場。この下りはFDさんのブログをお読みください。

英軍仕様なのでPRC343 を介した通信システム構成となります。私同様、実物のPTT 機能のみを生かして、省電力トランシーバーに繋いでいらっしゃる同好の士には、このシングルチャネルのRA5500/1020 はうってつけです。なんたってPRRの5PINプラグに差し込むだけですから。


これがヘッドセットとスイッチボックス一式です。このセットは、英軍採用のPRC343用5PIN(Lemo 5pin)コネクターで
接続できるケーブル&スイッチボックスとインイヤー式耳骨マイク付ヘッドセット、そしてポウチの3点で構成されています。




【左】スイッチボックス                  【中】電力は単4電池1本で60時間使用可能                   【右】イヤプラグ部分



【左】コードを固定するクリップ                 【中】Lemo 5pin コネクター                    【右】スイッチボックス&ポウチ



ちょっと困ったこと

ヘッドセットの先端に取り付けるイヤピースはカスタムオーダーとなっており、付属しません。耳朶に合わせてイヤピースを作成する完全なオーダーメイド制の関係上仕方ありませんが、本国に耳の型を作って頼むなんて気が遠くなります。試しにカスタムオーダーのヘッドホンやオーダーメイド制補聴器のイヤピースを調べてみると、本体価格が遠く霞むような馬鹿高いお値段。アホらしいので市販のヘッドホンのイヤピースを取り付けてみました。結果Sony のそれはスカスカでAudio Technica社製のものがスピーカー部から外れにくく私にはぴったりでした。

実物のイヤピースは?と言うと・・・・・・・・


実際のカスタムイヤーピース。何だか変形したジェリービーンズにウニがついているような面妖なシロモノです


ほんでもって

即席! オーディオヘッドホン用イヤピース


黒のシリコンゴム製イヤピースです。正規品はねじ込み式なので、イヤピースが取れやすい弱点はありますが、機能を発揮します。




こうして改めてミリフォトを見ると...........脱線や~



かなりの兵士が部隊問わず使ぅてはります。一部でまことしやかに言うような特殊な方々用でも何でもありませんね~





スイッチONしますと内蔵マイクが周りの音を拾い、ごく自然に聞こえますが、ノイズキャンセルヘッドホンと同様静かなところでは僅かにホワイトノイズが乗ってきます。これはヘッドセットに内蔵された小型マイクの性能によるものと思いますが、機器の性格上やむを得ないものでしょう。音質はオーディオ風な表現をすれば少々ハイ上がりな感じがしますが、ゲームで使用してみると装着しているのを忘れるほどで格別な違和感はありません。爆発音や射撃音など過度の音量や有害パルスが入ると音声を減衰させて鼓膜へのダメージを最小限にしますので、戦場では大いに役に立つでしょう。試しに自分でホイッスルを吹いて見ましたが、見事に音量の減衰と高周波をカットしてくれました。また入電する音声は左側のみ聞こえるので思考の邪魔をしませんし従来のBowman ヘッドセットの装着状態と変わらないことも受け容れられやすいものだと思います。耳骨マイクの性能は流石に軍仕様だけあってきちんと発声を拾い、レプリカや廉価な耳骨マイクとは雲泥の差です。ブームマイクや耳を覆うスピーカー部もありませんからヘルメット、ハット、ゴーグルなどとの併用も苦にならないのも利点です。


で......実際に付けてみました


当たり前ですけれどベレーも型くずれしませ~ん









<もうちょっと続くかも>




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この記事へのコメント
おお~スゴイですね!!こういうブツが入手出来るようになるとは・・

装備にはこういう小物類が効くんですよね~

マニュアルの写真はオスプレイがMk.2ですね・・(w
Posted by フォックスロットデルタ at 2013年07月18日 17:24
FDさん:相変わらず凄いところに目が行きますね~流石です!この時期に

供給が始まっていると言うことはそろそろ、スイッチボックスのポウチの色が

サンドからMTPにでも変わるんじゃないかと踏んでいます。
Posted by Kafu'Kafu' at 2013年07月19日 00:33
毎度ご愛顧ありがとうございます。
今更なのですが、フロンティアに使えるイヤチップ判明しました。
「COMPLY(コンプライ)」というメーカーの物で、
内径、長さ違いで、多種あります。
シリンクスはじめ、この手の耳栓型用イヤチップの殆どを
OEM生産しています。
兵隊さんも、代替品として購入されているようです。
入手先もアマゾンはじめ、国内どこでも買えます。
問題は、お値段ですね ^^;
Posted by カサ@@ハラカサ@@ハラ at 2014年07月23日 23:00
カサ@@ハラさん:その節はPRR とヘッドセットの改修で大変お世話になりました!共に変わらず調子よく使えております。

RACAL Frontier のイヤピースはこの次の記事( http://etekunn.militaryblog.jp/e459533.html )で触れたのですが
COMPLYでしたか!!!!!

情報有り難う御座います<(__)>
Posted by Kafu'Kafu' at 2014年07月23日 23:10
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