2016年01月04日

Chest Rigs

        Happy New Year !

Chest Rigs
15年前の1月 セルビアの首都プリスティナでコソボの独立を支援するため、イギリスから派兵され市内を偵察するRoyal Marines 45Commando 兵士  


昨年末にBrownig HP の記事に載せたArktis のチェストリグについて「お題」を頂戴しましたので、今年は英軍のチェストリグのお話で幕開けとしましょう。英軍はチェストリグを早々に装備群に取り入れた希有な軍隊で今では殆どのゲーマーの間で定番となっているものの、各国の軍がヨーク(米軍ではサスとかサスペンダーと言いますな)にベルトキットが当たり前な時代から使用していました。先見性というか現場の意見をすぐに取り入れる柔軟性に富んだ軍隊!とは過去にも記したと思います。実際に写真で見ることの出来る多くは21世紀に入った頃のものですが、私がチェストリグを手に入れて使い出したのが20年を優に超す以前という事からも軍での使用歴が如何に長いかを物語ると思います。冒頭の写真はコソボが未だ独立宣言をする7年前のものでS95DPM と共に運用されていますね。背中でクロスするハーネスで判ると思います。英軍のチェストリグは主に偵察、パトロール、軽戦闘向けに作られており、いくつかの亜種を生んではいますが、基本的に携行弾倉は30連マガジンを3本×3ポケット=9本と、火力だけは落とさず携帯性と軽快性を両立したものとなっています。縫い込まれたマガジンポウチを挟んで左右にキャンティーンポウチ(又はユーティリティポウチ)と中央にマップポケットが配されています。コソボの血なまぐさい話は新年にそぐわないので割愛して本題であるチェストリグに筆を進めます。

KOSOVO

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【左】コソボの小学生達を警護するRM兵士                             【右】Fusiliers は官品 RM は Arktis です

Chest Rigs
Royal Marines の全員がチェストリグ着用という珍しい一枚


Chest RigsChest RigsChest Rigs
【左】Fusiliers & Royal Marines      【中】Duke of Wellington's Regiment 兵士もChest Rigs   【右】Arktis 42 Chest Rigs 着用のRoyal Marines 兵士



Oman

Chest RigsChest Rigs
オマーンの砂漠地帯で訓練を積むRoyal Marines   イラク侵攻準備ですかね



Chest Rigs
オマーン沖 紅海上の船上でのRM 兵士  Arktis ですなぁ



Iraq

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バスラ近郊での英軍兵士  この当時はDDPM 装備が行き渡らずDPM 装備との混用が常態化していました


Chest Rigs
RAF 兵士にも使用例があります  マップポケットには Arktis のタグまで見えます




Afganistan


Chest Rigs
初期のアフガニスタン戦での45Commando Z中隊兵士   ライトマシンガン系を受け持つ兵士にも使用例が多いと思います


上掲の写真は2000年~2003年頃のほぼ同時期に世界で展開していた英軍の写真でもあります。チェストリグの使用はRoyal Marines に偏向的な使用が見られ、且つArktisを使う兵士が多い様に見受けられます。その他一般歩兵の使用例ではどちらかというとファステックス付きの官品を使っていることの方が多いようです。当時、本格的な戦闘というものでも無かったのか比較的軽装備でもありましたが年を重ねる毎にECBAとの併用、やがてアサルトベストの装用が多く見られる様になりOSPREYの登場により非常に限定的な使われ方になっていきます。


Training /Exercise

Chest Rigs
女性兵士には軽くて使いやすいからですかね?

Chest RigsChest Rigs


Chest Rigs
2008年11月のRoyal Marines の訓練写真  これが私の写真資料では最も最近の使用例



チェストリグは訓練や実戦形式の模擬戦でも使用され特にブレンなど分隊支援に就いている兵士に使用例が多いと思います。大型の銃の取り回しを優先しているのではないかと思われます。何れにしても、徐々に平時にもどりつつある英軍はひょっとしたらまたぞろ引っ張り出してくるかも知れません。私のチームの中にはMTP のチェストリグの登場を心待ちしているチームメイトもいる位で一度使うとやみつきになります。やっぱりチェストリグは英軍とは切っても切れないところがあります。







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この記事へのコメント
マキさん:リクエストにお応えして特集してみました。ご参考になれば。
Posted by Kafu'Kafu' at 2016年01月04日 13:15
明けましておめでとうございます。時々拝見させていただいております。
ebayで、dpmチェストリグはよくみるんですが、ちょっと色落ち酷くない?と感じてクリック出来ずにいましたが画像の限りは色合いはこんなもんなんですね。
色々と参考になりありがとうございます。
Posted by ケンゴ at 2016年01月05日 11:21
ケンゴさん:明けましておめでとうございます。私も新品から使っていますが、色落ちというか胸にあるので擦れて行きますね。伏射もしますから尚更でしょう。ebayのものの中にはポウチの内側が加水分解!?してベタベタになっているものもあるようです。良い程度のものがあると良いですね。
Posted by Kafu'Kafu' at 2016年01月05日 11:34
Kafu'様

あけましておめでとうございます。

また、リクエストにお応え頂きありがとうございます。
昨夜、ブログを読ませて頂きました。

まさか、ここまで内容を想像しておりませんでした!
近代英軍装備の資料となりうるレベルですね!
画像の多さ、解説の内容と圧倒されました。

ちなみに私は最近こちらの物を購入いたしました。http://www.flecktarn.co.uk/dptcr1nx.html
官給品とは少し異なりますが、使い勝手を優先してこちらにしました。
本体35£、送料25£でした。
(注文から10日程度で手元に届いたので驚きでした)

ポンド高と送料で高くつきましたが
それでも90年代前半の価格に比べれば
格安だったと言えます。

そういえば当時はDPMスモックなど
サバイバルスペシャルで3~4万円で高嶺の花でしたが
現在はLAOXのホビーコーナー8千円程度で売られていたのを見て
時代を感じました。
(S&Gから仕入れたのだと思います…)

当時はあのカタログの解説を読んで
素晴らしい機能が備わっているので
その値段でも仕方ないと思っておりました。


ところで、装備の加水分解は困ったものですね…
私もアサルトブーツを持っていましたが
購入してから10年くらい履かずに
コレクションしておりましたがソールのゴムがゼリー状になり
指でヒール部分が千切れるくらいになってしまいました。


色々と思うところを書かせて頂きましたが
改めてありがとうございます。

これからも、記事を楽しみにしております。
Posted by マキ at 2016年01月06日 07:34
マキさん:確かにサバイバルスペシャル全盛の頃は、英軍装備=ブルジョワでして、ご多分に漏れず私もなかなか買えなかったものです。通称SASスモックなんか手も足も出ませんでしたよ。

Wyvernのチェストリグをゲットされたんですね~。バンガードの傘下になったんですかね?Webtex もまだまだ元気のようで、官品を補う役目を相変わらず果たしているようです。

これからもどうか宜しくお願い申し上げます。
Posted by Kafu'Kafu' at 2016年01月06日 17:42
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