2015年07月28日

SA80 Bayonet Frog 取付の考察

SA80 Bayonet Frog 取付の考察
PLCE の後ろ姿にBAYONET FROG に差し込んだ銃剣が見える風情は英軍ファンとしては見慣れた、それでいて何故かしらホッとするものです




前回お話ししたBayonet Frog ですがPLCE 装備への取付は伝統的な方式でポウチとポウチの間に隙間を設けてベルトに付けるのが常識・・・・・・なのですが・・・・・・PLCE のポウチって一度取り付けると位置替えが面倒でパッドを取り付けていると一層うざいです。しかも当たり前ですが装備類が増えるほど身体前方へ回っていき甚だしい場合はニーリング、プローンに支障を来すことになります。


SA80 Bayonet Frog 取付の考察
英軍PLCE 装備の基本的なセットアップ例  腹部に装備が回り込まないようにするのが基本です


PLCE の特徴は基本的にウェビングベルト上のポウチ類を胴横までに止めてそれ以上前に持っていくことを嫌います。この辺はアメリカ軍の似たような装備である 1970年代から80年代のYサス&ポウチのALICEと大きく違うところです。しつこく申して皆さんには耳タコでしょうが、図を見ればお判りになるとおり英軍はプローンを昔から重視していて、うつ伏せになったときに装備類が腹部を圧迫しないようにという意図がはっきり読み取れます。それ故、アフガン戦の初期~中期はいざ知らずわざわざHIP BELT & YOKE キットを新たに支給してポウチキャリアでもあったOSPREY Mk.4 の特徴を殺してでもプローンを重視したのです。頑迷というか守旧と表現するが良いのか?いやはやその執念には畏怖さえ感じます。

SA80 Bayonet Frog 取付の考察
本来のFROG のウェビングベルトへの取付はこうなります



だからなのでしょうか?Bayonet Frog の取付方にひと工夫した・・・・と言うか腹部に装備が回り込むのを忌避したものか、ポウチの位置替えを嫌ったものかは別にしてFROG をベルトに取り付けない携行方法を編み出している兵士達がいます。

もしかしたら、MoD 主催の「私の提案」入賞アイディアだとか、はたまた基地内PX の懸賞付き「おもしろ装備コンテスト」入選作品みたいなモノがあって、一般兵士に広く伝播した類かも知れません。ともあれ前回謎の一枚としてご紹介したミリフォトを元に考察してみたいと思います。



これが前回ご紹介した謎の写真・・・・・・何処が謎かというと.....

SA80 Bayonet Frog 取付の考察
SA80 Bayonet Frog 取付の考察
SA80 Bayonet Frog 取付の考察
ウェビングベルトに取り付けずしかも本来ベルトとは平行にブレードが来るところ、縦に・・・・即ち直角にFROG が取り付けられているんです。

※英軍の典型的な腰回りでしてどの兵士も腰骨の横辺りまでにポウチの展開を止めています。言い換えればこの真似をすれば”らしく”見えます




どう考えてもポウチに取付ています。先日、書き込んでいただいたFD さんの言葉通り、ポウチに取付タブを縫いつけているのかも知れません。私の知る限り手を加えていると思われるのは官品ではなくて民生品が殆どなので十分にあり得ると思います。単に紐で括り付けているとは到底思えません。というのもすてんがん工廠さんのキャストモデルならいざ知らず、実物はかなりの重量がありまして、その上SCABBARD でさえワイヤーカッター部とノコギリをもっているので更に重さがかさむのです。それが紐でくくった程度では装備上で踊ってしまい非常に宜しくない状態を惹起すること必定です。ヘタをすると脱落する恐れすらあります。

しかし!現職の方々は棚に上げておいて、私等しがない英軍ファンはお宝の装備に手を加えるなんて勿体なくて出来やしません。そうなれば、何をするか?と考えるなら答えは自明ですな。即ちポウチを介した取付アタッチメントの自作と言うことになります。


そこで作ってみました・・・・・・



完全手作りワンオフの極致ですが、FROG が全くぐらつかずポウチに完全に追随します。念のためSCABBARD にはリングを取付けて万が一脱落してもストラップでぶら下がるようにしています。これでほぼMTP PLCE のセットアップも完成に近づきました!


SA80 Bayonet Frog 取付の考察
アルミ板と革をつかったFROG 取付アタッチメントです  CANTEEN POUCH に取り付けるためCANTEEN を重しにしてぐらつかないようになっています

SA80 Bayonet Frog 取付の考察SA80 Bayonet Frog 取付の考察SA80 Bayonet Frog 取付の考察
失敗作と作図  迷彩塗装は全く無意味でした ミントグリーンのスナイパーテープで十分でした




SA80 Bayonet Frog 取付の考察
演習中の PWRR 兵士  民生品のPLCE 装備のポウチにFROG を ” アノ ” 取付けしています



SA80 Bayonet Frog 取付の考察
BAYONET & FROG で装備も締まりますわ~icon06







同じカテゴリー(英軍装備)の記事
Shot Show Japan 2019
Shot Show Japan 2019(2019-06-05 22:20)

2019年 Happy New Year !
2019年 Happy New Year !(2019-01-05 01:34)

この記事へのコメント
左端のユーティリティポーチには、幅広で左右に短いウェビングが、上下2段に付いています。
フロッグのPLCEフック上下2段に対応した作りになっています。
2段それぞれを通すことで、かなりしっかりとポーチ側面に固定可能です。
ただ、そうした場合、尻を落として座った時やチェアーに腰掛けた際などにフロッグが干渉してしまいますので
フロッグの下段側とポーチの上段側のウェビングのみをコネクトするケースが多いです。
Posted by Patriot O'connell at 2015年07月30日 03:20
Patriot O'connell 様:いつも貴重な情報を有り難う御座います。
短いウェビングとはユーティリティポウチにあるループ様の輪っかのことですかね?

残念ながら私はキャンティーンポウチを左右に配しているので、使えませんね~。しかしユーティリティポウチの左側に2段ループがあるとは!官品の写真を見ても見つけられませんでした。

フロッグの下段とポウチの上段というのは判ります!私のなんちゃってアタッチメントもそのようにしています。掲示したミリフォトもその使い方が二人。今一人は逆に使っているように見えますが、ひとつだけのコネクトでのフロッグ下段使いでは重量バランスの関係からフロッグがひっくり返ろうとしますので写真のようになるとは思えません。何かもっと別の手も使っているような気もしています。

また耳寄りな情報がございましたら是非ご教授下さい。
 
Posted by Kafu'Kafu' at 2015年07月31日 00:37
お使いのベルトキットは通常のPLCEだと思いますが、
そちらにはウェビング(ループ)はありません。
(正確には、ご存知のとおり小さなループはありますが。)

空挺隊員の使用するカスタムメイド品または民生品のベルトキットでは、
左端のユーティリティポーチ側面に、
2段のウェビングあるいは側面全体にMOLLE状のウェビングを
張り巡らせたポーチが時おり使用されています。

何も入っていないポーチにフロッグを1点だけで固定させるとフロッグが暴れるのですが、
基本的にはメスティンなどでポーチがパンパンなのと、
固定用バンジーコードでホールドされていることもあって
1点支持でもそれほど暴れないようです。

ただ、1点目の写真の左下の隊員に関して言えば、
上記ウェビング(ループ)を通していないようなので、
添え木状のフックをフラップ部分もしくはポーチ側面上部に追加しているか、
あるいはフロッグ下段側のフックをポーチ側面に縫い付けている可能性があります。
Posted by Pat O'connell at 2015年08月02日 12:05
Patriot O'connell 様:追記有り難う御座います!これで謎は氷塊です。カスタムメイドや民生品なら2段ウェビングなどの特徴は持つことは十分にあり得ます。

一般兵士が用意する民生品ならそこら辺で購入しているでしょうから、なにがしかの工夫をしてポウチ側面に取り付けていると理解しても差し支えないですね。

他国、就中米国では直ぐに便利グッズが発売されるのですが、英軍は伝統的に自分で何とかする気性が醸成されているので私のなんちゃってアタッチメントも満更的を外していないような....。写真の兵士達は空挺でも海兵でもない極々一般的なPWRR兵士ですから益々意を強く致しました。
Posted by Kafu'Kafu' at 2015年08月02日 15:15
2段ウェビング構造が分かりやすく写っている画像をアップいたしました。
http://imgur.com/bS4czpC

ククリナイフのシースを上下ウェビングに通しているのがお分かりになるかと思います。
掲載されておられる1枚目の参考画像においては、
左側の兵士は、左側のユーティリティポーチの上下ウェビングにバヨネットフロッグ本体を通し、
(ククリシースを用いる兵士の挿入スタイルと同様)
フロッグの下側PLCEループを留めることで、脱落防止対策としております。
ライティングの関係上識別しにくいですが、よく見るとそうなっています。
一方で、右側の兵士は、上下ウェビングをバヨネットフロッグの上下PLCEループに素直に通して運用しています。

なお、写真での露出が一切ないため、あまり知られていないその他のバヨネットフロッグの装着方法として、
ベルトキットの6本あるウェビングのうち、背面側ウェビング2本に
バヨネットフロッグの上下PLCEループを通して使用するケースもございます。
腰を下ろした時にフロッグの先端が地面に当たらず、かつ、ベルゲンやパトロールパックにも干渉しないだけでなく、
サイドからとてもイージーにバヨネットをドローすることができるようになります。
Posted by Pat at 2015年08月09日 08:33
Patriot O'connell 様:一層詳しいご説明有り難う御座います。このククリナイフを帯びた兵士の写真は海外FBの仲間達も話題にしていました。

私も早くウェビングのついたポウチを手に入れたいものです。
Posted by Kafu'Kafu' at 2015年08月10日 01:24
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。