2018年01月12日

VIRTUS Soldier System のこと (STV 編 其壱)


英軍最新装備( Virtus Soldier System )の根幹を成す STV (Scalable Tactical Vest )


昨年後半は専ら古めの装備に話題が偏っていましたが、2018年の年明けはいきなり英軍最新装備のお話。時代の振れ幅が大きいのは私の悪癖と思し召してどうかご勘弁を。と言ってもこの新装備は丁度アフガニスタンから撤退を始めた頃を境に良く目にするようになってはいました。しかし、その当時(現実には確実に生産が始まっていました)はまだまだOSPREY Mk.4 A を当分使うのだろうと多寡をくくっていたのですが、その願いとも希望とも付かぬ思いは見事に裏切られ、あれよあれよ言う間に猫も杓子もVirtus Soldier System を身に纏いだして、中でもミリフォトでは最早OSPREY Mk.4 は訓練や演習でも僅かとなり、リザ-ブがメインで使っているような有様となってきました。空挺や海兵など即応能力を問われる連隊の他、現在作戦に従事している部隊にはほぼこの新型装備が行き渡ったと思われます。




2Para 兵士がモデルとなったVirtus Soldier System 導入のプロパガンダ写真 


STV とはScalable Tactical Vest の略で直訳すれば拡張型タクティカル・ベストってなとこです。事実、ベ-スとなるこのベストですらサイドを折りたたんでシンプルなプレ-トキャリアになったり、展開してボディア-マ-としても運用出来るなど、用途に応じた拡張性の片鱗をのぞかせます。2015年にMoD と契約を締結し製作、供給に当たっているのはイスラエルのSOURCE 社。世界各国に販売拠点を持っていますが、このベストもイスラエルで作られているようです。いつもなら " Waistcoat " と表現するMoD の de&s(Defence Equipment and Support) なんですが装備名を " Vest " と表記するのに当初違和感を感じておりました。でも英国ならぬイスラエルが作っているんだから、クィ-ンズイングリッシュを押しつけるわけにはいかなかったのかも?って感じで納得。
 さてさて愛しのOSPREY Mk.4 シリ-ズはMK.3 に至るまでのボディア-マ-より数々の点で優れたものでしたが、Mk.4 を含め兵士の装備品の平均重量は53kg にのぼり(らしい)就中、OSPREY は重い、嵩張る、動きにくいと言った他のボディア-マ-と同じ欠点を指摘されていました。丁度、私がECBA がOSPREY に取って代わる?なんて記事を書いていたのがいみじくも2015年でしてOSPREY より体の自由度が高いと記しておりましたね。月イチゲ-マ-の戯言ですらこの発言ですから、ひねもす装備を付けている本職の方がより切実な問題だったのは至極当然ですわな。ホンでもってMoD は装備重量を半分に出来んか?と各装備メイカ-に打診してトライアルで勝ち残ったのがこのSOURCE 社のSTV を始めとする装備品だったわけです。実際のところ、何kg になったのか消息は不勉強で申し訳ないですが、いかついMk.4 を愛用していた身にとっては少々頼りない気がするものの、身に着けてみての感想は確かに ”軽やかで 動きやすい ” です。




【STV 正面】 Molle Tape が7本 縫い込まれています 右肩のベルクロと脇腹のファステックスで装着しやすく改善されています



【STV 背面】 左右にある取っ手は前方に引いてSTV を体にフィットさせやすく自在に身幅を可変させるためのものです 





肩口を起点に開いてみたところ(簡単にできます)  ベルクロでべったりと固定するOSPREY では真似の出来ない図です


しかも!
            
左胸にあるプルタブを引くと・・・・・・・


 
【左】左肩のショルダ-ジョイントが外れ.....              【右】左脇腹のファステックスの基部も同時に外れ



緊急時にはベストごとするりと外れる仕掛けになっています


このクイックリリ-ス機能は少し前ならCIRAS 辺りでも採用されていましたし、最近のア-マ-でも採用例があって格別に特筆するものではありませんが、このSTV の特徴はシンプルな仕組みで且つ、再構築が非常にしやすいというところです。何より従来のベルクロで固定されまくりのOSPREY を脱いだり脱がせたりするのに大いに手間取った英兵達にとってはまさにエポックメイキングなものに思えるに違いありません。Mk.4 を身に着けるときはずぼらな私なぞ、いちいちベルクロを剥いで、また留め直しなんて絶対したくないので、両手を垂直に挙げて筒に体を入れるが如きスタイルで上から被っていましたもんね。

先述の通り、このSTV はシチュエイションによって形を変えることが出来ると申しましたが、早速やってみました。といっても変形は至って簡単です。気をつけるのは本物にしろダミ-にしろフィラ-は取り出しておくことです。フィラ-があると後述のようには折りたためませんので。

プレ-トキャリア状態にしてみる


前掲していた兵士の側面からの写真   STV をシンプルなプレ-トキャリア状態にして使用しています


 
【左】STV 裏側のベルクロを剥がし サイド面を前後共内側に入れ込みますと     【右】プレ-トキャリア状態になります 被服の下にも使うことが考えられています



SOURCE Tactical Gear の HP から




まだまだポウチ類やベルトキットが揃いません 暫くはOSPREY のベルトキットやポウチ類を併用(本職もやっていますし)で使います


ところで VIRTUS の【読み】なんですが、わたしゃ、てっきり【ヴァアタス】と発音するもんだと思っていたら皆さん【ビルタス】と発音するもんだから調べてみました。英軍装備を標榜しながら間違った発音したら恥ずかしいものね。(そう言やACOG をアコグと書いて平気な奴もいますね)・・・・でこのVirtus って単語自身、なんとラテン語! 意味は「徳」とか「美徳」なんだそうです。英語ではvirtue 【ヴァアチュゥ】が対訳になります。従って英語読みなら私の勝手な発音も少しかすって?はいるのですが、結局のところラテン語での発音は【ウィルトゥス】・・・・・・・・と言うことで、私は今後出来るだけVirtus と表記しますがカタカナで記す場合はウィルトゥスと表記したいと思っています。まぁ、倹約は美徳と教えられた世代。その ” 美徳 ” が物欲という煩悩の元凶になるという皮肉に苦笑いです。



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この記事へのコメント
どうもこんにちはです。

Virtusは【ヴィルトゥス】という発音だとてっきり思っていましたが、
鳥インフルエンザウィルスの【ウィルス】も同じくラテン語のvirus
ですから【ウィルトゥス】が正しいのでしょうね。
とても勉強になりました。
Posted by maximus at 2018年01月12日 09:29
お久しぶりです、裸の男爵でございます!

カッコいいですねぇVirtus!

ちょうど昨日ネットでイギリス軍を漁っていたらすでにいくつかの画像が載っていました。

勢いでL85A3なんぞ作ってしまったものですから、それに合わせて装備も最新の物にしないとカッコ悪いのですが、入手方法を知らないのと何より資金がありません(*T^T)


子供を育てるのって想像以上にお金がかかるのですね(*´・ω・`)
Posted by 裸の男爵裸の男爵 at 2018年01月12日 12:04
maximus さん:いやいや、勝手にラテン語読みしてるだけです。英語発音ならヴィルトゥスで合っているでしょう。しかし英軍の各連隊のモットーもラテン語が多いのでそんな流れからも言ってはいるのですが ^_^
Posted by Kafu'Kafu' at 2018年01月12日 12:37
男爵さん:A3はお任せしてます。早くキットを製作してくださいな。
STVには、まだまだ、あれや、これや、それも必要かな?と言う状態なのでノンビリ行くつもりですよ。
Posted by Kafu'Kafu' at 2018年01月12日 12:44
L85A3のキットですか(;^_^A

G&G限定ですが、なんとか出来ると思います。
L85A3の制作時にはキットとして販売も出来るように考えて作ったので大丈夫だとは思います。

ただし、当方の3Dプリンターで制作した物はどうしても積層痕が出てしまうのでその表面の処理(パテ盛・ヤスリがけ)が大変だったので、どうしても二の足を踏んでしまっています。(;^_^

しかし、Kafu'ほどの技量があればそんなに難しい事は無いと思いますので・・・・・・・・・・・・・・・・

どうですか?一つ作ってみますか?(;^_^A
Posted by 裸の男爵裸の男爵 at 2018年01月12日 19:54
男爵さん:お!いいっすねぇ~。此処では何なので、メ-ルをお待ちしておりますよ~。
Posted by Kafu'Kafu' at 2018年01月13日 23:12
おおおおおお!!!!!

VIRTUSってOSPREYシリーズとは全く違う流れからの装備ですからね~急に垢抜けた感が・・(w

そもそもOSPREYはIED対策がメインだった筈で・・アサルトボディアーマー辺りからまた変わってきて・・ここでVIRTUSでまた大きく変わって・・この短時間でここまで変わるというは・・戦場でのニーズも変わってきてるんでしょうね~
Posted by フォックスロットデルタ at 2018年01月13日 23:20
FDさん:ちょっと装備改変が早すぎますよ。もう2年ちょっと前から新型計画は動いたんですからねぇ。このブログで新しいと言うには実際、すこし遅いのですが。やっと手元に来たって感じです。

確かに今回は動的な装備に性格を変えています。だからと言うこともないのでしょうが、OSPREY の冠を捨てています。OSPREY Mk.3 までは世界のボディア-マ-に追いつこうと必死。Mk.4で世界標準、
Virtus で少しリ-ドした?と言う感じでしょうか?

お揃いになるのを待ってますよ~。
Posted by Kafu'Kafu' at 2018年01月14日 01:55
腰にプラスチック部品はもしかして、硬いですか? 硬いと痛いそうです。 柔軟なのか気になります。 硬くば、縫製することも難しいようです。
Posted by Mr Army at 2018年09月07日 14:42
Dear Mr.Army.Thank you for visited my blog.

I will presume that what you are talking about is the chassis plastic part. It's a sheet rather than the plastic part.They are not soft on body,but the buffer material has done them no harm.

regards
Posted by Kafu'Kafu' at 2018年09月07日 21:20
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