2012年06月04日

ECM Bergen(電子戦用ベルゲン)


渡渉中のRoyal Marines 42Commando 兵士(先頭の兵士の背嚢がECMベルゲン)



アフガニスタン展開の兵士の殆どが背負っているバックパックは45リットルのベルゲン、デイサックとありますが、このところよく見るのがECMベルゲンです。E.C.MとはElectronics Countermeasures の略で、磁気地雷や対人地雷の機能を無効化する機器を指します。この電子戦用機器を携行するために作られたものがECMベルゲンです。対ECM(ECCM)の絡みもあるので、機器自体秘匿性が高くて私が如きレベルではどんなもの、と資料を提示するネタもありませんが、太めの軸とその先にはがまの穂のようなアンテナやブレードアンテナ等数種あるようです。尤も本体は少なくともこのベルゲンに入る程度の大きさだと言うことですね。


     現行ECMベルゲン                                           初期型!?
トップカバー全体とフロントパネルの上半分がメッシュ構造です。右はDDPMパターンの初期型?こちらもフロントパネルがメッシュになっておりECMは放熱が必要な機器と言うことが窺い知れます。




                  トップカバー裏側                   Karrimor sf ロゴとタグ               トップカバーのベルクロファスナー
トップカバーの裏側にはコード、ワイヤー?を纏める円筒形のポケットが配されています。タグはご存じ英国が誇る登山用品のトップブランドKarrimor sf のロゴ。トップカバーにはアンテナを突き出すことの出来るベルクロファスナーが付いています。積載量の多い英軍兵士なのですが、ECMベルゲンを背負っている兵士はフラップの余り具合から、この機器のみを中に入れているように思います。重量もさりながら機器への影響を最小限にしたいという現れだと思われます。一つ間違えば地雷が爆発するかも、ですからさもありなんです。



             背面                                      サイドビュー
見慣れた、背面です。典型的なアタックザックの形状で、肩パッドの位置変更、ウェストベルト、ブレストベルトなどによる重量分散方法など現代ザックの構造を踏襲しています。ウェストベルトですが本来は横ブレ防止や腰骨上にセットして肩に掛かる加重を減らす役割がありますが、OSPREYの上から使えるはずもなく多くの兵士は、いつも外しています。冒頭のRoyal Marines 兵士は背面に回してベルゲンの腹辺りでバックルで留めていますね。サイドには格納できるナルゲンボトルなど入れるパッド付きポケットが左右に配されています。



内部です。上部コンパートメントはECMをセットする為の間仕切りが固定ベルトと共にあります。ベルトに沿って変形を防ぐフレームが縦に入っています。下部はバッテリーを入れるものの様です。間仕切りを外せば荷室は広く取れますから案外、ECM機器携行以外にも使われている可能性があります。それならば突き出しているアンテナの種類が様々なのも説明が付くのですが....。







アフガニスタンでは終始中心的な役割を果たしてきた16AABも撤退。現地では戦闘から専ら治安維持とパトロール、EODがメインになっており、無用な犠牲を払わぬ為にも、ECMが多用される事になっているのでしょう。手元に来たこのECMベルゲンもアフガンの細かな砂を吸い込んでいて、幾度掃除機を掛けても叩いても未だに抜け切りません。砂の粒子で白くなった掌を見ながら彼の地の過酷な自然と戦闘に思いを馳せてしまいます。





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この記事へのコメント
いつの時代でもイギリス軍装備の背負い物は重要ですね。
ミリフォト等で、このベルゲンを見るたびに気になっていました。
電子戦用のベルゲンだったのですね。
勉強になります。
Posted by NARU at 2012年06月07日 22:51
NARU様

こんばんは。駐留部隊もパトロール業務が多くなってきて、最近のミリフォトでも
ECMベルゲンとPelvic Protectionの組み合わせが当たり前になってきています。殊にPelvic Protectionはロールアップせずに真面目に装着しているこの頃です。

MoDも兵士も五体満足で故郷に、の思いが強いでしょうね。
Posted by Kafu'Kafu' at 2012年06月07日 23:39
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